学長ブログ

10月の学長ブログ

物思う秋の到来です。せっかく良い季節を迎えたので、少しじっくりと構えて、物事を深く考えてみたいのです。そう言えば、藤井聡太という稀有の棋士が登場し、まさに深く考える姿を全国に見せてくれました。将棋の盤面を睨んで長考する姿、カッコいいです。最近、めったに見ないその姿が眩しい。

 

一方、我が方は、当面のスケジュールをこなしてゆくことに専念しています。どちらかというと、スケジュールありきの日常が自分を支配しているようです。皆さんはいかがでしょう?スケジュールに追われてテキパキと課題に対応している自分を感じませんか?そう、「現代人はスケジュール管理のもとに生きている」と思うのです。

 

悲しいかな、高齢者はそのスケジュール表に沢山の病院通いが含まれていますが、これはこれで仕方のないことです。そして、そのスケジュールの中に運動や旅行が入っている場合、それなりの喜びと満足感が加わります。もりや市民大学の過去の授業によると、「運動だけに専念している人より、運動とボランティア活動の両方を行っている人の方が、健康寿命が長い」という“学説?”を何度か耳にしました。スケジュール表にそうしたバランスを持っている方、お喜びください。健康寿命が長いそうです。

 

物思う秋、こんなことを取り留めもなく考える自分に長考の機会は訪れるでしょうか?私のスケジュール表を見ると、今月と来月の予定がかなりびっしりと埋まっていて、先々は来年4月の日程まで書き込みが始まっています。手帳からスマートフォンへとスケジュール表管理を変更してから何年もたちました。慣れてしまえば後者を便利に使っています。社会のデジタル化の波に押し流されながら、自分のスケジュール管理に専念する、こういった日常に、「物思う秋」という哲学が入り込む余地があるか?自問と疑問に終わるブログでした。

9月の学長ブログ

クルージング、やや心をくすぐる言葉です。船や航空機であちらこちらを巡ることを言うそうです。ふと思い立ち、クルージングに行って参りました。乗客と船員併せて4000人規模の大型客船でした。「大船に乗った気持ち」を実際に味わってみたのです。大船なら、揺れない、沈まない、という安心感を伴って、遠くまで行けるロマンを提供してくれます。

 

「どうだった?」と聞かれて「うん、良かったよ」と答えるのですが、そこから先の具体的な感想を述べるのが意外と難しいのです。何が良かったかを説明するのが難しい。スピードを楽しんだ訳ではない、大きい船だから良かったと説明するのも野暮、豪華だから良かったと言えば、豪華ホテルを褒めるのと同じ、台風でも揺れなかった、と説明するのは感情が伝わらない、という次第で、どう説明すればよいか戸惑っています。

 

日常から離れて旅をすることは、誰しも経験するでしょう。旅を嫌う人は少ないと思います。それでも、年齢が高くなると旅はおっくうであり、家で過ごすのが一番だ、と消極的になる傾向があるのは仕方のないことです。「さあ、旅に出よう」と呼びかけるか、「静かな毎日を家で過ごそう」と心に決めるか、人々はそれぞれの考えで日々を過ごしています。

 

今回、私は旅に出ました。クルージングでした。少しリフレッシュできました。帰宅しても以前と全く変わりない日常に戻りました。さて、あれはなんだったろう?旅は何をもたらしただろう?と自問しますが、答えは朦朧とするばかりです。強いて言えば、繰り返す日常に少しだけ変化を入れてみたら、心と体がリフレッシュしたな、と思います。そう言えば、昨年のいきいきシニアコースで「実践小旅行」講座がありました。講師は国内旅行業務取扱管理者の肩書を持つ飯嶋章氏でした。小旅行が脳トレ効果をもたらすことを解説してくれました。今回、私の脳はトレーニング効果を得たでしょうか?そんな恵みを頂けたらありがたいことです。

8月の学長ブログ

猛暑と頻発するゲリラ豪雨、お見舞い申し上げます。ところで、今年は暑中見舞いのハガキなどがほとんど来ません。そう言えば、冠婚葬祭の招待状が来なくなって久しいです。コロナ感染と共に、この種の生活上の慣例のようなものがかなり変化したと思います。ただ、古来の祭りや花火大会などは復活の兆しが濃厚です。何とかしてコロナ以前の勢いを取り戻したいと願う心は誰も同じなのでしょう。

 

色々な集まりについてはどうでしょうか?地域での集まり、全国各地からの集まり、更には国際的な集まりについて、以前とは違う変化が見られます。特に、オンライン会議、Zoom会議が増えたことは実感します。もともとは会って話し合っていた顔ぶれが、Zoomで十分機能する場合が増えました。それにより、会議欠席者が減ったかもしれません。「出席者100人の会議でした、ただし、会場には25人、残りはオンライン参加でした」などという報告を聞くと、「これで良かったのかなー?」と、複雑な思いです。

 

飲み会は別です。コロナ拡大時期に、「Zoom飲み会をやろう」という呼びかけが何度かありました。各自が缶ビールなどを手にもってパソコンを開き、画面を見て自由におしゃべりしながらビールを飲むのです。実際にやってみると、どうも盛り上がりに欠けたようです。早々に画面から消える人、最初から名前だけを出して顔を出さない人など、今一つ盛り上がりに欠けました。一方、そろそろ良いかな、と開催する旧来方式の飲み会は、どれも大盛況です。これまでのうっ憤を晴らすかのように、ガンガン飲んでしゃべります。

 

そんなこんなで、徐々に過去形になってきた新型コロナ感染、まだ油断はできません。思わぬ知人から「実は私コロナに感染しました。後遺症がしんどいです。」という知らせを受けました。テレビで感染症の専門医師が色々な情報を提供する場面もほとんど見なくなりました。マスクも「個人の判断で決めて下さい」と言われます。こうして過去形になっていくとき、あれは何だったのだろう?と自問自答しつつ前進します。もりや市民大学も、人数制限を無くして、従来通りの教室運営になりました。オンライン受講は、その幅を広げたという意味で、私たちは歓迎しています。

7月の学長ブログ

 夏休み、昔はこの言葉にワクワクしました。いま、夏休みと言われてもピンときません。夏休みとお盆休みが交通渋滞のピークになること、そちらへの関心のみ沸き起こります。季節の交通渋滞に巻き込まれないように気をつけて移動することに専念します。

 

 夏休み、宿題と自由研究の季節です。ChatGPTなる生成AIが跋扈しています。若者の間では、今年の夏休み、このChatGPTが陰に陽に活躍することでしょう。かつて当然と思っていた「自分の頭で考えろ」という説得力ある助言、これもどうなることか。何しろ賢い助言者が誰の手の中にも存在しているのですから。

 

 夏休み、さて、高齢者や後期高齢者にとって夏休みとは何でしょうか?まずは暑さに耐える季節、体調を維持することに注意する季節、孫が訪れることについて覚悟しておく季節、ちょっとは外出、旅行も楽しみたい季節です。国内外で報道される異常高温に驚かされることもあります。地球温暖化と関係があるのかないのか、あいさつ代わりの話題にすることも多くなります。

 

 夏休み、学長ブログもテーマを見つけ出すことができず、発信力が低下します。そうか、夏休みだから学長ブログも休みで良いかな、と言い訳します。猛暑日には「無用の外出を控えよ」「激しい運動をするな」と忠告されるのですから、積極的な情報発信のモチベーションが不足がちです。さあ、こんな夏休みの到来、皆さんはどのような計画をお持ちでしょうか?「夏休みに計画を持つ」というマインドこそが大切です。今からでも遅くありません、「あなたの夏休みの計画は?」と聞かれたときの答えを用意しましょう。私?ですか。私は・・・、これから考えます。

6月の学長ブログ

 2023年度もりや市民大学「守谷を知る」コースにて、久しぶりに講師を勤めました。パワーポイントを準備し、配布資料を編集して臨みました。お題は「守谷の土と水―その恩恵を考えるー」でした。お陰様で、教室は定員いっぱい、満席状態でした。オンライン出席の方も2名おられ、川崎運営委員の司会にてハイブリッド方式の講義が始まりました。

 

 聴衆を前にしてお話をする際、いつも心掛けているのは、自分が面白いと思わない話は聞いている人も面白くない、ということです。では、自分が面白いと思う話とは何か、と言えば、自らの手、足、頭、目などを動員して獲得した知見や情報を整理し、筋道を立て、何が言いたいかをはっきり示すことです。自分が抱いた疑問をどのように解きほぐして行ったか、そのプロセスもお伝えしたい中身になります。守谷市に貝塚がある、と聞いて実際に現地へ行き、貝塚を発見するに至ったプロセスは、自分でも「面白いな」と思いました。

 

 問題は、自分が面白いと思う事項を聴衆も面白いと思うか、という疑問です。これはyes/no どちらもあること、当然です。私が疑問に思い、知りたいと思うことは、他者もまたそのように思うだろう、という信念を貫くと、NHK朝ドラの主人公、植物学者の牧野富太郎になれます。この植物の名前を知りたい、と心から願い、また、日本中いや世界中の人々もその花の名前を知りたいと願っているに相違なし、と信じて疑わないので、初めは疑心暗鬼だった周囲の人々も、やがて牧野富太郎に引き寄せられ、共感すら得ていきます。

 

 こんな朝ドラを見せてもらうと、一人の人間が「知りたい」と思う純粋な疑問を解き明かす作業というのは、人の心に触れるほどに深い魅力を持つのだろうと思わずにはいられません。さて、私の「守谷の土と水を知りたい」の願い、皆様に通じたでしょうか?講義後にはアンケート調査が用意されています。そこにどんなご意見が記載されているか、楽しみです。なお、一般に、教室の後方に着席する受講生は、その講師に対して厳しい評価を下すことが統計学的に証明されています。後方座席の皆様からのアンケート結果が出たら、再び学長ブログにご紹介しましょうか?