学長ブログ
11月の学長ブログ
「来年のことを言うと鬼が笑う」てなことを申しますが・・・・、これは落語の冒頭セリフです。明日のことも分からないのに来年のことなど分かるはずはない、といったからかいの言葉ですが、もりや市民大学はいま、必死で来年のことを議論しています。いえ、再来年の3月までを見通しているのです。鬼も笑うと言うより、あきれているかもしれません。
しかし、来年度1年間を見通して計画を練ることは容易ではありません。まず、コース内容を設計し、次に各コースの個別授業の講師を捜し、それぞれの講師候補者と交渉に入ります。交渉のお相手にも日程都合がありますから、相互の話し合いが欠かせません。さらに、各コースである程度の設計図が出来上がったところで、コースごとの整合性、全体との調和などを考慮します。類似性や相反性などが現れないよう工夫を要し、講義日程に重複が無いか点検も必要で、コース設計の修正などをお願いせざるを得ない場合もあります。
組織やグループの将来計画というのは、こういった「鬼が笑う」ような作業の積み重ねで立ち上がるので、鬼にも協力していただく必要があります。もりや市民大学の運営委員17名は、いま、守谷市市民協働推進課や市民活動支援センターの職員と協働しながら、2026年度の市民大学運営を準備しています。関心をお持ちの市民の皆さんに魅力的なプログラムを提供したいと考えています。
幸いなことに、もりや市民大学としてお招きしたいと望む講師の方々は、多くの場合快く引き受けて下さいます。これまでの経験によれば、講師の皆さんはもりや市民大学に呼ばれたことを光栄と受け止め、非常に手間暇をかけて講義の準備をしてくださいますので、中身の充実は期待以上のことが多く、受講生からも高評価を頂いてきました。今回もちょっと驚くような著名講師も招聘予定です。ご期待ください。
10月の学長ブログ
今日(10/16)付の新聞に「ダークパターン」に関する記事がありました。通販サイトでショッピングを行う際、いつの間にか定期購入サイトに誘導されて予定外の支払い請求を迫られる被害についてです。しかもそれは日本だけでなく世界中で起きている迷惑問題だと知らされました。アメリカの連邦取引委員会(FTC)のホームページには被害者からの書込みが多数出ているそうです。「アッ、これだ」と、その記事に見入りました。実は私自身この被害に2回も会っているのです。
私はゼブラの4色ボールペンを愛用していますが、黒色のボールペンの使用頻度が圧倒的に高いので、やがてインクが切れます。そこで、ネット販売を利用して黒色の油性ボールペン替芯を注文しました。早速入れ替えを行って快適に使用していたところ、1か月ほどたってメールが届きました。曰く「黒色油性ボールペン替芯が届きます」と。えっ、と驚いてメールの中身を見ると、あなたは定期購入者です、との記載もありました。黒色替芯は一箱10本入りですから、一箱あれば十分、定期購入などとんでもないことです。
その際、販売元のアマゾンや支払い登録済みのクレジット会社などに連絡を取ろうとしましたが、PC画面上での処理が分からず、右往左往してとりあえず定期購入を取り消し、気持ちが悪いのでクレジットカードの再発行まで手を打ちました。
その後数年して、今度は注文した覚えのない「粒状春ウコン」が宅配で届くという予告メールが届きました。数か月前に1回購入した品ですが、まだ十分残っていて新規購入の予定はしていない品でした。メールをよく見ると、これまた定期購入です、と記載されていました。再び発送元やアマゾンに連絡を試み「定期購入の意志は無い」と告げたところ、漸く取り消しができました。以上、個人的な2回の体験は、今日の新聞で「ダークパターン」と呼ばれている事項であることが判明し、ややこしい世の中になったなー、とため息をついているところです。
9月の学長ブログ
ファラデーという19世紀の科学者がいました。電磁気学の父、と呼ばれたイギリス人です。「ローソクの科学」(1861年)という本の著者としても有名です。かつて私もこの本を買ったのですが、どうにも興味が持てなくて読まないままどこかへ消えてしまいました。ところが、最近ふと手にした別の書籍で久しぶりにファラデーの名前を目にし、「そんなことを言う人だったのか」と突然好きになりました。
その書籍によると、ファラデーはあるご婦人から「そんなことが一体何の役に立つのですか?」と質問されたそうです。この質問は、大学や研究所で専門的な研究や基礎的な研究を行っている人には常に投げかけられます。「何の研究をしていらっしゃるのですか?」という質問でも、研究の内容を説明するよりそれが何の役に立つかを説明する方が喜ばれるのが普通です。残念なことに、私自身も含めて研究者はこの種の質問に上手に答えられず、何か分かりにくい言葉でもやもやした返事をすることが多いのです。
ところが、かのファラデーさんの返事はこうでした。「貴女は生まれたての赤ん坊が将来どういう役に立つのか答えられますか?」。なんとまあスマートな返事でしょう。そうなのです。生まれたての知識、新しい知識は、それが何の役に立つか、すぐには分からないのが当たり前なのです。そこをズバリと言い当てたファラデーさん、さすがです。
そしてさらに加えたエピソードです。ファラデーさんが生きていた時代にクリミア戦争(1853~1856年)が勃発しました。ロシア帝国と西側連合国との領土争いです。ここでは連合国が勝利し、ロシア帝国が破れました。そのクリミア戦争でファラデーは連合国側のイギリス政府から化学兵器の作成を依頼されました。その時ファラデーは「作ることは簡単だ。でも絶対に手を貸さない!」と断ったそうです。そう、戦争に手を貸さない、と断言したファラデーさん、この点でも私はますます好きになりました。以上のエピソードを教えてくれた著書「学ぶとは」(ミシマ社、伊原康隆、藤原辰史著、2025年)にも感謝です。
8月の
日本列島で連続する35℃以上の猛暑、突然の「線状降水帯」、予期せぬ時期の地震、自然の猛威は容赦がありません。異常気象は人間活動に起因するとの学説をほぼ信じています。「地震・雷・火事・おやじ」は何やら大正~昭和時代を思わせますが、今なら「地震・異常気象・核・戦争」でしょうか。多様な危険が身近に迫っていると理解しています。
実は私は8月生まれです。そのせいか、暑い夏が比較的好きです。汗をダラダラ流しながら野外スポーツをしたり庭木の剪定をしたりするのは嫌いではありません。そのあとでスポーツクラブのプールまたはお風呂、そしてサウナに入って、最後に冷たい水風呂に入る。実はその先があります。ご想像通りです。家に帰ってプロ野球のナイター戦を見ながら冷たいビールをグイっと飲む。これで完了です。夏はこうしたルーチンが貴重です。
そう言いつつも太陽が早く沈むようになり、秋が近づいています。茨城県産のお米が順調に収穫できることを願っています。そして、9月の「もりや市民大学」は、公開講座(9/21)、守谷を知るコース(9/18)、もりやいきいきコース(9/5, 9/26)、みんなのまちづくり入門コース(9/6)、みんなのまちづくり専門コース(9/9)が目白押しです。どなたでも公開講座への積極的なご参加を歓迎します。
7月の学長ブログ
団体やグループを運営する際、多くの場合「規約」「会則」「要綱」などといった約束を作成するのが通常です。そういう書類は、渡されたときには「はい、わかりました」と受け取りますが、まじめに熟読することは殆どないかと思います。しかし、時にはこれが重要な役割を果たすこともあるから、やはり無駄ではないのでしょう。
「もりや市民大学友の会」にも会則があり、最近も活発に運営されています。その運営がとても楽しそうなので、「私も入れてもらいたい」という希望者が増加傾向です。そんな中で、市民大学の受講経験は無いけれど友の会に入りたい、という希望者がおられました。喜んで受け入れたい、と思いながら友の会の会則に目を通したところ、会員は「受講生、修了生、聴講生、運営委員、講師など」となっており、一般市民が自由に入会することはできないと知りました。市民大学ではなく友の会に入りたい、という希望者が現れたことに驚きを隠せません。
では、「もりや市民大学友の会」のどこにそんな魅力があるのでしょうか?私自身は友の会の活動にそれ程参加していませんが、友の会の方々の集まりには幾度となく出会っています。そこで毎回気づくのは、友の会の方々は常に笑顔が絶えない、皆さんいつも笑顔なのです。とても楽しそうです。この、笑顔、が肝心です。多くの笑顔が集まると、人は自然にその集団に引き付けられます。「なにがそんなに楽しいの?」と近づいてみたくなるのです。そう、「もりや市民大学友の会」には笑顔が満ちているようなのです。
東日本大震災をきっかけにして2011年に発足した「一般財団法人日本笑顔プロジェクト」では、農業と防災に役立つ重機の操作を活動主体としているそうです。笑顔で重機を操る?何やら不可思議な構想ですが、いたって真面目に取り組んでおられます。その本部は長野県の浄光寺にあります。また、世界で唯一、笑顔コンサルタントを名乗る門川義彦氏によると、笑顔が持続可能な社会の実現に寄与するそうです。なにはともあれ、笑顔を武器とする団体やグループには発展の兆しが見えます。「もりや市民大学友の会」も笑顔で発展しそうな気配です。