1月の学長ブログ
明けましておめでとうございます。昨年のお正月は能登半島地震で大揺れでした。能登では9月にも豪雨と洪水にも襲われ、甚大な被害に会いました。今年の正月は火事のニュースが多いです。戸締りと火の用心、お互い気をつけたいものです。インフルエンザの流行も気になります。手洗いうがいを徹底しましょう。
そんな中で、今年何となく気になっているのが「社会の変化についていけるか?」という漠然とした不安です。この問いかけには2つの意味が含まれていると思います。1つは同世代の人々の行動や考え方に自分はついていけているかどうか、です。頑張っている同世代には大いに勇気づけられます。もう1つの意味は、日本社会全体の変化に対応して自分の居場所を作っているかどうか、です。社会の原動力は30代~50代の働き盛りにありますから、この世代が牽引している社会を理解し、自分も役割をもって貢献しているかどうかです。特に高齢者にはこの問いが気になります。
残念ながら、一般的には高齢者や後期高齢者に上記第2の役割を期待するのは無理のようです(例外はあります)。最近、友人に勧められて「イノベーションの科学」(中公新書)という本を手にしました。イノベーションは、経済的な価値を生み出す新しいモノゴトを指すそうです。イノベーションは創造的破壊ともいわれ、古いモノゴトを新しいモノゴトが創造的に破壊する、そこには創造する人と破壊される人がいるという議論を展開しています。私自身はどう考えても「破壊される人」の側にいると思いますので、どんな風に破壊されるのか興味津々で読み始めました。結論はまだ読み終えていません。
「社会の変化」で最も身近に感じるのはスマホやパソコンを通じた情報や商品売買のデジタル化です。様々なスキルやタッチパネルの「常識」を要求され、間違いや疑問にぶつかって相談したくても、人間相手の電話相談などが消え去り、デジタル音声ガイドのみがボタンを押すことを要求し、最後の回答を得るまでにヘトヘトになるかできなくて断念するか、といった日常があります。この「社会の変化」に対しイライラとガッカリが何度も重なる自分は「社会の変化」についていけていない、と自覚するばかりです。