学長ブログ
9月の学長ブログ
雨ニモマケズ、風ニモマケズ、雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ・・・は宮沢賢治の有名な詩ですが、なんでも死後に残された手帳に書き込んであったものが後世に発見され、世の中に出回ったとか。確かに、雨に負けるのもシャクだし、夏の暑さにも耐えたいと思います。が、それにしても今年の秋雨前線はしぶとく居座り、日本各地をびしょびしょにしています。もし地球規模の気候変動に直面している現代に宮沢賢治が生きていたとしたら、雨ニモマケズではなく、雨カラニゲテ、風カラニゲテ、雪カラモ夏ノ暑サカラモニゲテ、安全ヲ確保スル人ニ私ハナリタイ、と言わねばならないかもしれません。
今年は、爽やかな秋のはずが毎日雨、雨、雨・・・です。各種屋外活動予定は軒並み中止です。子供会活動や屋外スポーツ大会、花火大会、秋祭り、などの企画は開催か中止かで迷うことが多いでしょう。中止を余儀なくされて、ガッカリしている関係者は少なくないと思います。もちろん、災害級の雨については、命や生活を脅かされていますから、ガッカリどころではありません。
もりや市民大学「守谷を知るコース」では、8月22日(土)常総市の神達岳志市長をお迎えして「常総水害から10年~未来への教訓~」という講義を聞きました。そこで特に印象に残ったのは「ハザードマップで示されている浸水想定区域はかなり正確である」という実体験でした。それまでハザードマップをそれ程重要視していなかったわが身にとって、良い反省材料となり、改めて市から配布されているハザードマップを広げてみました。すると、常磐高速道路の守谷サービスエリアが浸水想定区域にどっぷりつかっていることがわかり、ここに逃げ込んではいけないか、などと考えたりしました。
昔は雨乞いが大切な祈りでした。ぜいたくを言うな、と叱られるのは覚悟の上で、あの青空、あの爽やかな秋風、好天の再来を天に祈るばかりです。そして「枯葉よ~~」の歌を楽しむ季節を迎えます。もりや市民大学の秋は、筑波山を文学で楽しむ公開講座があり、もりやいきいきコースでは筑波山ネイチャーガイドさんの講義を聞きます。秋本番に向かいます。
8月の学長ブログ
8月2日、千葉大学大学院の岩崎寛教授をお迎えし、もりや市民大学公開講座「植物の効果を暮らしの中に取り入れる」を開催しました。7月の学長ブログも公開講座をネタとしましたのでやや気が引けるのですが、今回の公開講座でも楽しい学びがあったのでここに記載したくなりました。植物には癒し効果があること、森林浴や里山歩きなども気分転換に良いことは経験上承知しているつもりでしたが、今回、そのことに科学的根拠を示して頂ける、との期待がありました。
さて、緑による健康効果は、治療ではなく体調を元の状態に戻すことにある、とのご指摘、ふーんそうですか、といった軽い頷きでお話は進行しました。ここで、「唾液コルチゾール」という聞きなれない用語が出てきました。なんでも、心や身体に負荷が掛かった時のストレスホルモンを検出する指標だそうです。岩崎先生の研究グループは、学習室のような空間で視界に植物がある場合と無い場合の集団を比較して「唾液コルチゾール」に差があるか無いかを比較しました。そのデータに驚きました。20分間の経過時間後に「唾液コルチゾール」の値を比較したら植物が無い部屋の集団では600近い値なのに対し、植物がある部屋の集団では100を少しこえる程度の数値でした。こんなに大きな差が出ることはおどろきであり、このデータを取って学会誌に論文発表されたことに瞠目しました。
これは科学的根拠が明確だ、と確信し、数日後に行った床屋で「この部屋には緑が不足しているね、2ヵ所ぐらいに緑を置くと大いに癒し効果があるのですよ。造花ではダメです」と話しました。床屋さんご夫婦は「今度の休みにお店で緑を探してきます」と返事されました。次回、本当に緑を導入したかどうか確認したいと思います。
ついでながら、我が家にもゴウヤ、朝顔、ドマトなどが小さな庭に植わっており、妻がいつも手入れしているのですが、岩崎先生のお話を伺って以降、私も積極的に観察しその成長を見守るようになりました。これで私の「唾液コルチゾール」が減少するのであれば誠にありがたいことです。最近、ゴウヤが日々成長するのを見るにつけ、いとおしさが湧いてくるのが不思議です。岩崎先生、ご講演誠にありがとうございました。
7月の学長ブログ
好天の7月11日(土)、もりや市民大学公開講座「イタリアの都市と田園の魅力」が開講され、講師の陣内秀信先生(法政大学名誉教授、私の高校の同級生)のお話を聞きました。市民交流プラザ市民ギャラリーは予約の受講者で一杯になりました。「イタリアの都市と田園」が守谷市とどう関わるのか、興味津々でした。
「イタリアへ行ったことがある人は?」との司会者からの質問に、参加者の3分の1ほどの手が挙がりました。行ったことのある人がそのイタリアの話を聞きたい、というマインドに私も共感しました。あの歴史的で牧歌的でしゃれた雰囲気の風景はどのように生まれ、今現在どのように発展しているのか、知りたいと思うのは当然です。これからイタリアに行こうかと思っている人はなおさら関心が高かったでしょう。
そんな公開講座で出てきたキーワードは「テリトーリオ」でした。英語のテリトリー、日本語でも領域、地域、縄張りといった言葉に類似します。しかし、イタリアでの多くの風景画像、更には現地調査に基づく研究データなどを見ていくうちに、「テリトーリオ」はちょっと違うな、と気づき始めました。単なる領域を指すのではなく、風土や歴史、そして食文化を含む、地域の日常的豊かさを内包した概念らしいと理解し始めました。そんな「テリトーリオ」という言葉は広く知られている知識なのかな?と思ってあとで調べてみたら、なんと講師の陣内さんがイタリアで発見し日本にも広めようとしている、陣内さんから発信して広まった概念であると分かりました。つまり陣内さんは日本での先駆者なのです。
公開講座を聞き終わって、守谷市の発展方向について何かを考えたくなりました。たとえば、地産地消の食文化です。「守谷は農地が残っているから新鮮な地元野菜が手に入って良いな」と思っていたその事実を、単なる便利さを示すのではなく、地域の豊かさに関連する守谷の「テリトーリオ」の一部として再評価したいと思いました。こうなると、地域ごとの夏祭りなど、市民主導型の多様な活動も「テリトーリオ」の推進と位置付ければ見え方が変わってきます。また、地域活動をあまりイベント化するのは「テリトーリオ」から見てどうなのかな?という疑問も芽生えました。まだ漠然とした「つかみ感」に留まりますが、イタリアの都市と農村がなぜ復活発展しているのかを学ぶと、守谷にも生かせるような気がしてきたのは私だけではないと思います。
6月の学長ブログ
皇居から2.5㎞程東へ向かうと墨田川が流れています。その2.5kmの 間には東京駅、日本橋、江戸橋、人形町、水天宮などという東京の名所がひしめいています。もりや市民大学友の会が、この地域を目指して楽しい日本橋七福神巡りを挙行したとの事後報告を見て、東京見物という企画があることを知りました。生まれてから30年間を東京都内で過ごしたわが身にとって、東京都は見物する場所ではなく、生活する場所だったので、友の会の企画には新鮮な印象を受けました。
ところが、今度は私の母校(都立西校)の同期会が、またまた東京見物を行ったというではありませんか。母校は杉並区にありましたから、東京都は生活の場であったはずですが、その卒業生が東京見物とは驚きでした。皇居から北西へ2.5kmほどのところに椿山荘や東京カテドラル、細川庭園、芭蕉庵、そして神楽坂界隈があるから行きましょう、という誘いでした。私は都合悪くて参加できませんでしたが、後日、楽しい東京見物報告が届きました。
この、高校同期会の東京見物を企画引率したのが、建築史家の陣内秀信氏(法政大学名誉教授)でした。私の高校時代の同級生です。運動会の短距離競争ではいつも先頭を走っていました。その陣内氏、多数の著書を世に送り出しています。たとえば「東京の空間人類学」「地中海都市の空間人類学」「水都東京」「東京の水辺散歩:水の都の地形と時の堆積をめぐる」「イタリアのテリトーリオ戦略:甦る都市と農村の交流」など枚挙にいとまがありません。その博識が買われて、人気テレビ番組ブラタモリには何度も出演し、東京の地形を楽しむ解説をしています。
来る7月11日、その同級生、陣内秀信氏が守谷市にやってきます。そう、もりや市民大学公開講座の講師として来訪されます。恐らく、守谷市の特徴を捉え、世界の都市と農村の知識を加えながら守谷市の現在と未来について楽しい語らいがあるだろうと期待しています。この学長ブログをご覧の皆様も、誘い合わせて公開講座に参加されてはいかがでしょうか?お待ちしています。講座終了後は陣内氏を「守谷のイタリア」にお誘いしてみようと考えています。
5月の学長ブログ
開校以来15年目を迎え、延べ1300人以上の修了生を送り出した「もりや市民大学」は、来月6月6日、中央公民館(もりりん中央)にて2026年度開講式を迎えます。開講式には松丸守谷市長にもご出席いただき、最新の市政についてご説明いただけることになりました。
さて、今回の受講申し込みは5月8日に締め切りましたが、受講希望者が多く、募集案に記載してある通り「申込者多数の場合、新規申込者を優先の上、抽選にて受講者を決定します。」が適用されます。受講経験者の方々には抽選に回っていただきますので、或いはご希望に沿えず、申し訳ないこともあろうかと思いますが、教室のサイズ、椅子や机の数による制約なので、ご容赦ください。
「守谷を知るコース」ではオンライン受講を併設します。こちらには人数制限を設けません。抽選で漏れた方はオンライン受講に切り替えてはいかがでしょうか。もりや市民大学は、コロナ禍の中でいち早くオンライン受講(Zoom利用)を開設しました。私自身は、大学や研究所の現役を引退しているので、それまでZoom利用の経験はありませんでした。幸い、運営委員の中にシステム関係に詳しい上西義行氏がおられ、運営委員全体にZoom利用を指導してくださいました。そのおかげで、いろいろな場面でZoom利用ができるようになり、大いに助けられました。この上西運営委員は本年度の「もりやいきいきコース」でも講師として登場します。
ところで、デジタル社会へと急激に変化する現代社会、高齢者が置き去りになっている、という声は巷にあふれていると思いますが、スマホを使いこなせない世代にとっては辛いことです。高齢者がスマホを上手に使いこなせば、より大きな便益を得られるかと推測しますが、広く見渡しても、どちらかと言うとついていけないで戸惑っている高齢者の方がはるかに多いと感じています。この急激な変化に生きる高齢者、「自然体で生きる」という知恵をどこで働かせるべきか、悩ましいですね。