2014年4月の記事一覧
4月の学長ブログ
春が来ました。桜は散りつつあります。公園や学校、道路沿いの木々を見ると、内側の枝がすっぽりと払い落され、外側の緑が良い形で残されている、手入れの行き届いた姿に整っているものが少なくありません。私も真似をして、我が家のヤマモモの木に手入れし、枝振りを整えてみましたが、出来上がりは今一つです。このように、自然物に手を入れることをどう感じるかは、人によりずいぶんと異なるようです。私が教えていた大学キャンパスでは、4本のヒマラヤスギが並んでいました。しかし、あまりにも巨大化しすぎて、周辺が薄暗くなってしまいました。そのため2本を切り倒し、2本は残す、という方針を固めたところ、少数ながら伐採反対の意見がありました。
このように、自然に手を入れるべきか、あるがままに任せるか、はいつも議論が分かれます。最近、日本全体の人工林について、密生しすぎの弊害が指摘されており、強度間伐という方法が検討されています。人工林の杉やヒノキを、約半分切り倒すという方法です。こうすると、日光が地表面にまで到達し、下草が元気になって土壌侵食が抑制され、雨水も良くしみ込むようになる、ということです。人間が手入れすることによる自然環境保全、という考え方が、進んできているな、と思います。