10月

 2015年9月の国連総会で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、地球の問題や課題を地球に住むすべての人たちで解決する社会づくりをめざし、2030年までに達成すべき目標を17件掲げました。さあ、「17件を全て言ってください」と言われて正しく答えられる人、いますか?1番目は「貧困をなくそう」です。6番目には「安全な水とトイレを世界中に」というのもありました。16番目は「平和と公正をすべての人に」もありました。こんな調子で、言われてみれば成程、といった目標が17件に纏められています。

 

 その2030年まであと6年です。改めてSDGs17目標を眺めてみると、あと6年で実現できるような気がしません。逆に、目標から遠ざかっているような現実があるように思います。たとえば、先ほどの16番目の目標について言えば、世界は平和より戦争に向かってずるずると引き込まれているようです。あと6年で全ての人に平和と公正がもたらされるとは、残念ながら期待できません。そんなSDGsですが、11番目の「住み続けられるまちづくりを」という目標については、守谷市でも考えることができます。

 

 SDGs11番目の目標「住み続けられるまちづくりを」では個人の意識、個人の行動に加えて、住民参加型或いは市民行政協働型の活動組織が必要でしょう。いま、もりや市民大学では「まちづくり協議会コース」を開講中です。このコースを受講されている方々は、皆さん地域活動に熱心で、指導的立場におられる方もいらっしゃいます。まちづくり協議会がいかにしてSDGs11番目の目標「住み続けられるまちづくり」を達成できるか、真剣な学びと議論が行われています。

 

 SDGsを我々の日常生活と関連付けることは容易ではありません。単なるスローガン、絵にかいた餅、お題目、といったレッテルで終わらせるのはもったいない目標です。残念ながら、SDGsが国内政治、国際政治に影響力を及ぼしているとも感じられません。理想を掲げ、それを訴えることと、現実政治、現実社会の具体的課題に対応することには大きな隔たりがあります。そうであっても、もりや市民大学の「まちづくり協議会コース」はSDGs11番目の目標を実現するために学んでいるのです。これは、日常生活に限定される小さな目標ではなく、世界が目指す大きな目標の一つなのだということを忘れたくありません。