11月の学長ブログ
11月開講の後期コースが始まりました。今回も総合コースは「守谷を知るコース」としています。ところで、「知る」というのは何でしょう。もの知り、と言えば昔から、いろいろなことを知っている人、主に過去の事実や知識を自分の頭に記憶している人のことを言います。
しかし今日、携帯電話やスマートフォン、インターネットやGPSのお世話にならない日はありません。こういう新しい時代にあっては、「知る」は過去のことだけでなくリアルタイムの現在(例えば、今すぐ乗れる電車の時刻、今走っている車の先の渋滞情報など)に関する知識量や情報量も大切な意味を持つようです。
それでは、過去と現在の情報を得れば「知る」ことができるのでしょうか?どうやらこれだけでも不十分のようです。今日では、今後起こるであろうこと、つまり未来についても情報を持つことが「知る」ことの重要な要素になりました。守谷市の今後の人口予測、財政予測や市民の年齢構成予測、災害の可能性予測、といった未来予測を含めて、初めて守谷を「知る」ことになるのです。その意味で、11月開講の総合コースでも、過去・現在・未来にわたって「知る」を追究することになるでしょう。
私が長年送ってきた研究教育生活においても、「知る」内容がどんどん変化し、海外の先進研究を日本に導入すること(過去の知)、発達した測定機器を駆使してリアルタイムの数値データを取得すること(現在の知)、そして理論やコンピューターを最大の武器として未来予測を行うこと(未来の知)へと急速に発展しています。これからの若い世代の人たちは、こうした教育と環境の中で育っています。若い世代にとっての「知る」は、より一層“未来を知る”ことに傾くことでしょう。ただし、もりや市民大学では、過去・現在・未来の知をバランスよく提供することが大切だと思っています。