8月の学長ブログ

 お盆休み真只中でしたが、南海トラフ大地震に備えよ、大型で強い台風7号の接近に備えよ、などと警告が続き、夏休み計画に影響を受けた方も多いのではないでしょうか?ラジオ、テレビ、スマホの文字ニュースに至るまで、同じことの繰り返しでした。ちょっと前にはパリオリンピックのニュース一色でしたね。こんな風に、情報が一色に染まることに、やや違和感を持ちます。全く同じ映像と同じ説明を繰り返し見聞きすると、「重要な情報なのだろうな」と理解しつつ、過剰だなとも感じます。

 

 他にも心配していることがあります。それは、ふとした疑問について、スマートホンにキーワードを入れると瞬時にその答えが返ってくること、についてです。そもそも、最近疑問を持ち続けるという姿勢が激減していると思います。疑問はスマートホンですぐ解決するからです。でも、疑問を長く持ち続けることで新しい知識や新しい着想にたどり着く、あの喜びはどこへ行ってしまったのでしょうか?便利さと引き換えに失ってしまったものへの郷愁を感じます。これこそ、年寄りの感傷そのものなのでしょう。

 

 解けない謎を持ち続ける喜び、これは過去の遺物となりました。しかし、戦争を止めさせるにはどうしたら良いか、とか、災害に備えるにはどうしたら良いか、などの大きな問いに対する答えは、恐らく常識的な答えが返ってくることでしょう。それも含めて、いまや、答えのない問いはない、と言い切っても良いかもしれません。学術研究において問いを楽しんできた身としては、やはり寂しい気持ちが湧きます。

 

 試しに「世代交代とは」というキーワードでネット検索してみました。すると、情報通信システムの世代交代はおよそ10年ごとに更新されてきたことや、組織団体の世代交代は10年~12年間隔で行われているようだ、などの知識が記載されていました。いま、もりや市民大学運営委員会も「世代交代」を検討中です。発足以来12年を経過した市民大学が「世代交代」を考えるのは妥当かな、と思う次第です。こんな問いにもこたえてくれるパソコンやスマートホン、やっぱり便利ですね。