まちづくり専門コース(第3回)
第3回と第4回は防災科学技術研究所の李 泰榮(い てよん)先生による、防災に関する講義です。
今回は「地域の災害リスクと防災活動を学ぶ~科学技術を活用した賢い防災活動とは~」をテーマに講義が行われました。
災害時、行政による「公助」には限界があり、人命救助のタイムリミットとされる「72時間の壁」を乗り越えるには、自分の身を守る「自助」と、地域で助け合う「共助」が不可欠です。
突発的に発生する地震災害と、2〜3日前から事前の備えが可能な豪雨災害では、日頃の備えや適切な対応が異なる点についても解説がなされました。
従来の避難訓練や消火訓練だけでは活動がマンネリ化し、参加率が低下するという課題も提示されました。 これらを解決するには、子どもが参加できるイベント形式にするなど「入り口を変えて真剣かつ楽しく学ぶ」工夫が効果的だそうです。
自治会と小学生が連携した「ジグソー防災マップづくり」や、地元の事業者・商店へアンケートを行って作成した「協力事業所マップ」など、住民と地域が一体となったユニークな実践事例も紹介されました。
後半では、最新の科学技術を活用した防災ツールを用いて、南海トラフ巨大地震や首都直下地震、実際の地域リスクなどを確認するデモンストレーションをしていただきました。
・J-SHIS(地震ハザードステーション): 地域ごとの地震発生確率や揺れの想定を可視化。
・重ねるハザードマップ(国土交通省): 受講生2名の自宅周辺地図を実際に画面に映し出し、浸水リスクや土砂災害リスクを具体的に解説。地形分類では、土地の特徴や成り立ちも確認できるそうです。
・あなたのまちの直下型地震: 震源地や季節・時間帯を設定し、想定される被害状況やライフラインの復旧プロセスをシミュレーション。
受講生のみなさん、次回の講義までにそれぞれのツールを使ってご自宅や職場などの災害リスクを調べてみてください。
先月の熊本地震や今月の関東での豪雨災害、そして講義当日の23日未明には茨城県南部を震源とするM5・8の地震が発生したこともあり、緊迫感のあるテーマとなりましたが、李先生の熱量あふれる解説とユーモアを交えたお話のおかげで、終始和やかで学びの深い講義となりました。