6月の学長ブログ

 武漢に、朱という名前の中国人がいます。その朱さんのニュースを共同通信社の5月23日付配信で見かけました。何でも、新型コロナウイルスが広がった武漢在住の日本人が、急遽帰国する際、市当局と掛け合って輸送バスを手配し、全員が無事に飛行場まで移動できるように最大限の尽力をしてくれたと報じていました。https://news.yahoo.co.jp/articles/a8c787684840f25c8761e0df235b658c70c555a4

 「おやおや?よく似た名前の人がいるな」と思いました。というのは、かつて、私が現職の大学教員だったころ、朱敦尧(ズー・ドンヤオ)という中国人留学生がいたことを思い出したからです。ニュースを見ると、件の朱さんも東京大学留学経験があると書いてあります。これは、ずいぶん近い話だな、と読み進むうち、これは、あの朱さん本人だ、と確信しました。

 そこで、「朱さんが日本人退避のために力を尽くされたことを、初めて知りました。まず、心からの御礼を申し上げます。本当にありがとう。」というメールをご本人に送りました。すると、朱さんから「皆さんとの出会いは私の人生として、幸せの種です。それを大切にして、ずっと。今回、日本からたくさん感謝のことばをいただき、大きい喜びです。映画になってもらいたいという方がいらっしゃる、確かに、永遠に経験できないシーンがいろいろ、ありました」との返信。

 こんな偶然の再会があるとは、夢にも思いませんでした。朱さんは、私のもとで環境地水学という専門分野の博士号を取り、研究者の道に進む予定でした。しかし、その後紆余曲折を経て、今では日中を結ぶIT関連会社の会長に上り詰めていました。社員1300人を率いているそうです。新型コロナウイルスが終息したら、また日本に来る予定だそうです。その時、お会いしましょう、と約束しています。楽しみです。守谷市民大学にご案内して、臨時講師でもやってもらいましょうか?